武水しぎの

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高齢の入居者について

(2007年11月01日) 「大家さん読本」コラムに初出。

高齢化社会の到来につれて、賃貸住宅への高齢者のお申込みも増えてきました。

従来、賃貸住宅では高齢者の入居は嫌われてきました。健康状態及び経済状態への不安からです。逆に言えば、この二つの対策が取れれば、高齢者に入居してもらうことへの支障はほぼクリアされます。

経済状態についてですが、高齢になると多くの方は年金が主な収入源となります。プラス身内からの仕送り、という方が多いでしょう。昨今は保証会社も使えるようになりましたし、公的保証制度もありますので、高齢者であることを理由にした、経済状態への不安はかなり減ってきたと思います。なお、年金の受給は通常2ヵ月ごとですので、保証会社を選ぶ場合はそれを考慮にいれるとよいと思います。

さて、難しいのが健康状態の不安への対処です。なにとしても避けたいのが孤独死であり、また対処に非常に困るのが入居中の認知症発症です。そのリスクを避けてお申込をお断りする、というのも一つのですが、お受けする場合はいくつか留意点がありますので、思いつくまま書いてみます(何と言っても自分もいつかは行く道ですから、できるだけお受けしたいという気持ちだけはあるのです)。

○引っ越しの理由は?

同居まではしないけど、子どもの近くに住みたい、ということが多いようです。近所に身内の方がいる場合は連絡先を聞いておきます。

○損害保険の管理をしっかり

必ず個人賠償・借家人賠償特約のついた火災保険に加入してもらいましょう。保険更新の管理も忘れずに。また、オーナー側の保険ですが、オーナー共済会の中に「建物構内死亡保障・1人暮らし死亡保障」のある商品がある共済会もあるようです。

○ともかくも身内を味方に

本人が健康上の理由で、さまざまなことが不自由になった場合、本人に代わって賃料の支払いをしたり、本人の生活をサポートする手配をするのは身内の方です。ご本人に変わったことがあった場合、早めは早めに対処するためにも、身内の方に連帯保証人になってもらうとよいと思います。入居が決まったら家主からも挨拶の電話を入れ、日中の連絡先を聞いておくとよいでしょう。

○本人を取り巻くネットワークに加わろう

高齢者を取り巻くネットワークは、医療福祉関係を中心に意外と多いものです。ケアマネージャー。介護保険のデイサービス。社会福祉協議会の見守りや、自治体の宅配弁当。民生委員、町内会。生活保護受給者ですと、自治体の担当官も。われわれ家主は通常ですと、その輪の中には加わらず、いざ事が起こってから連絡がくることが多いものです。

そこで、そのネットワークの中に入れてもらうと、情報が得やすくなります。入居や更新の際に聞いておくのがいいと思います。小さな事件があったりすると、先方からコンタクトがあることもあります。そういう機会は逃さずに捕まえておきます。

デイサービス利用者であれば、送迎の日時が決まってますので、「ちょうど行きあわせて」挨拶する、という手もあります。取り立てて何かをする必要はありません。「何かあったらお気軽にご連絡を。できることであればご協力したい」と家主側の連絡先を言い、先方の担当者を聞いておくだけで充分です。

施設併設の住宅は別として、一般的な賃貸住宅は、自立生活ができていることが前提となります。でも、いつかは見守りが必要になり、転居や、あるいはイザ、という事態が起こります。その時に警察のお世話にならず、ごく自然な見送り方ができるような心がけがいるのだと思います。

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