武水しぎの

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方角が悪いから......

2010年4月30日 22:20

新居を探すのに、風水や方角などの吉凶を気にするのはよくあることです。
ばっちりいい物件があれば、いいのですが、そうでない場合は、お参りにいったり、厄除けのお守りを置いたり。

賃貸では内見時にやたら方角を気にする方もときどきいらっしゃったりします。

なお、大阪府堺市には方違神社といいまして、そこへお参りすれば「方違い」をしたことになるという、ありがたいご利益の神社があります。
「方違神社の鎮座する三国ヶ丘は、摂津の国と河内の国と和泉の国の3つの国の境界地点です。この国境地は摂津の国から見ると南にあり、和泉の国からは北にあります。つまり南であり北でもあるので南北を相殺しています。同様に東西も相殺しているため、当地には方角が無いとされ、旅に出るときや家を移るときにお参りをすれば、一挙に三国を旅したことになり、おのずと「方違え」をしたことになると考えられてきました。」(公式サイトより引用)
のだそうです。

さておき、そのお申し込みは新婚のカップルさんからでした。
3DKを2LDKに間取り変更したお部屋。キッチンも新調し、気合いを入れた改装です。
物件が古い分、家賃は低く、でもお部屋の設備はまっさら。
堅実な二人に向いたお部屋といえましょう。

そこへ条件交渉が入りました。家賃を3000円下げ、敷礼もなしにしてほしいとのこと。

改装費を奮発してますから、辛いところです。
募集条件だって、間取りまで変更して設備を入れ替えた改装費を考えれば、家賃を上げたいところを下げたのです。

「こんだけしてんねんから、言い値で借りてくれ!」

と叫びたいところですが、空前の借主市場の賃貸業界。
築古の物件に来てくれて、気に入ってはくれている。
19歳同士の若いカップル、無理に背伸びをせず堅実な考えをしている、と受け取ることもできます。
交渉をかけるのは本気で入りたい証拠、と自分を鼓舞して受け入れました。
ただ、「2年は住んでほしい」、と早期解約違約特約をつけてほしいと、こちらからも条件を。

さて話が一転したのはここからです。
19歳といえば未成年です。ですから親権者の同意が必要となります。
ここらの地域では、親権者に保証人になってもらう形で同意をもらう慣習です。
今回は旦那さんのお母さんが保証人となることになりました。

すると、そのお母さん。熱心な方なのですね。
「自分もその部屋を見たい」
と言いだしました。
かくしてお母さんと一緒に、もう一度内見です。

案内した仲介業者さんによりますと......

キッチン、お風呂、洗面といった水回りを重点的にチェックしたお母さん、営業マンに方角を聞きますと、じっと新品のキッチンを見つめました。

曰く、

「方が悪いわ!」


「それで、方位を気にする方ということはやっぱりキャンセルですか...?...(泣)」


「いえ、それが......」

なにやら言い淀んだ営業マン。とてもとても言いにくそうです。


「......方位が悪いので、もう数千円家賃を負けろ、と」


「はぁ??  (= =;)」


「立場上、お伺いするしかないんですけど、当然ダメですよね......」


「当然です」

営業マンの苦笑と呆れが声音から「伝わってきました。
方位が悪いからやめとく、とかならわかりますが、家賃を下げるとご利益があるとかは聞いたことがないですよね......?