消費税導入！

2004年4月改正消費税法。
免税点が年商1000万円になって、フクさんも納税業者に？

鈴木：はい、フクさん。これ、今年の確定申告書。ハンコここに押して、税務書に出しといてね。

フク：うん、ありがと。ついでに出してきておくれよ。

鈴木：運動したほうが体にいいよ、フクさん。あと、これ消費税の簡易課税業者の届出書ね。今年度からフクさん、納税業者になるから。

フク：え？　私のはアパートが一つと、駐車場だけだろ？　１０００万もいくかねぇ？

鈴木：ほら、一昨年ご主人の商業ビル相続したじゃない。

フク：ああ！　あっちは息子が管理してるから、ころっと忘れてたよ。それにしても商業ビルなんていうと大層に聞こえるねえ。どこのことかと思った。

鈴木：２階建て、全5戸でも商業ビルは商業ビル（笑）。事業用賃貸だから家賃にも消費税がかかるね。

フク：駐車場もだよね。その「商業ビル」の方は息子がそれなりにやるだろうけど、ということは駐車場の賃料にも消費税がかかるんだよね？

鈴木：そう。

フク：今、10000円もらってるんだけど。4月からは10500円もらったらいいのかな？

鈴木：単純に税率をかけるとね。でもまあ、免税業者の場合は、その10000円だと10000円は消費税込という解釈で所得税の申告をし、消費税の申告と納税は免除という建前で経理することが多いかな。そのかわり支払っている消費税も「消費税」ではなく「経費」として扱うだろ？

フク：それは困るよ！　うちは消費税なんてもんができる前から10000円なんだから。これが税込だなんていわれたら、値下げした上に消費税を納付しなきゃいけない。

鈴木：いや、別に10500円（税込）に値上げしてもいいけど。

フク：うーーーーーん。価格下落のこの折、値上げできるかなあ……。

鈴木：ま、それはフクさんの決めることだから。

フク：ちょっと待ってよ。ひょっとして、アパートの駐車場も消費税がかかるのかい。

鈴木：原則は。

フク：原則？？？

鈴木：住居用の賃貸で駐車場込みの条件だと課税されない。

フク：じゃあ、募集条件をそうすればいいんだね？

鈴木：それがそう単純にもいかなくて。税務署にも税理士にも聞いたんだけど、いっぱい違う意見が出てねえ。一部屋に駐車場一枠をきちんと対応させないとダメだという人やら。フクさんのいうように単純に込み契約ならいい、という人やら。すごいのになると、水道代や共益費にもかかるという意見の人までいる。

フク：え？　水道代は立替えて水道局に払ってるだけじゃないか。そのために子メーターが各部屋についてるんだろ？

鈴木：「大家が水を仕入れて、店子に売ってる」という解釈らしいよ。水道局に払う水道料金には消費税かかってるでしょ。

フク：水道料でもうけなんて出ないよ。むしろ赤だよ。

鈴木：それをいうと、水道局だって営利団体じゃないよ。

フク：共益費は？？　家賃とセットだと思ってたけど。

鈴木：建物共用部の「サービスの提供」だって。

フク：なんだあそりゃあ。とにかく課税できるところを探してるって感じだねえ……。

鈴木：ま、そんなに心配しないで、フクさん。多分駐車場以外は大丈夫だから。

フク：ほんとに？

鈴木：うん。ほとんどの本にそう書いてあったから。

フク：あーあ、どこまでアテになるんだろうねえ。