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執念の踏み倒し男これはO家さんがまだ自己管理をしていたころの話です。佐藤さんは家賃滞納の常習者です。2-3ヶ月遅れては振込、また3ヶ月遅れては2ヶ月分振込ということを繰り返していました。 それでも1ヶ月分ごとに振込まれるとまだいいのですが、適当な額を振込まれるのです。 たまりかねたO家さんは直接集金にいきました。 「こんにちは。O家ですけれども、家賃の集金に参りました。○ヶ月分で345678円お支払いいただきたいのですが」 ドアを開け、じろりとO家さんを不審そうに睨んだ佐藤さん。しかし入居のときに直に会っているので、面識はあるはずです。 「1ヶ月分だけでもお支払いいただけませんか」 じろり。と佐藤さん。 「払ってないのは△ヶ月分と1234円で、432109円のはずだ」 O家さんは内心あせりました。適当な額を振込まれるので、滞納額への充当の計算がややこしくなっていたのです。 「……金額はまた帰って確認しますが、とりあえず今月分だけでも」 「きちんと計算しなおしてから、出なおしてこい」 確認が足りなかったのは、O家さんのミスです。その場はすごすごと帰るしかありませんでした。 さて、きちんと計算しなおしたO家さん。 額は先日佐藤さんが言った通りでした。それにしてもいきなり集金に来られたのに、未払い額を把握しているあたりがスゴイです。 再び集金に行きました。 また、じろり、と佐藤さん。 「財布は家内が持ってる。家内に言ってくれ」 とりつく島もありません。 同じようなやりとりを繰り返しながら、ときどき振込がありましたが、だんだん振込の間隔が開いてゆき、ついに6ヶ月入金のない日が続きました。 ここにいたって、ようやくO家さんは弁護士への依頼を決意します。 佐藤さんは「払う」と弁護士に返答しましたが、相変わらず支払はありません。さらに3ヶ月が過ぎ、契約解除と明渡し・滞納家賃の請求の訴訟となりました。 法廷に佐藤さんは現れなかったので、すぐに勝訴は決定しました。 しかし、佐藤さんは平然と住みつづけています。家賃も払われないままです。 強制執行の手続きがなされ、佐藤さんは引っ越してゆきました。行き先は隣町の賃貸住宅です。動産に対する執行もされましたが、差押えられたのは金額にして6万円ほどでした。引越し費用もO家さんの負担です。執行官にたいする支払も、もちろん弁護士に対する支払もあります。 O家さんはこの時の初期の対応の遅れをふかーくふかーく反省したのでした。 |
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