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敷金返還問題についてこの項はガイドラインや敷金問題に苦慮する管理人のグチのようなものです。家主側からみた敷金問題のグチですが、この問題の解決には賃貸人・賃借人互いの立場の知識と理解が必要と考えます。反対意見でも何でもご意見お待ちします。掲示板にでも書きこんでくださると嬉しいです。 管理人個人は契約内容を自由化していきたい意思を持っています。互いに条件を摺り合わせて契約していきたいのです。どのようなプロセスを経れば自由な契約ができるかというのも今後の課題です。 あいつぐ敷金返還トラブルを巡って、国土交通省は解決の指針となるガイドラインを出しました。 「原状回復」を定義付け、日常損耗を賃貸人の負担とするものです。 さて、内容そのものは民法第606条をより丁寧に定義づけたものです。 さらに旧借家法・借地借家法・消費者契約法などにより、「借主に不利な条項は無効」とされています(条文参照)。 それなのになぜ、敷金トラブルが絶えないわけは、どの程度なら「借主に不利」なのかはっきりしないからです。社会情勢・地域慣習・個別の事情などにより「借主に不利」な条項は変わります。 ガイドラインは単なる通達に過ぎず、個々の契約内容や地域慣習よりも優先するものではありません。このことはガイドライン自身がはっきりとうたっています。 本来であれば契約内容を上記各法律に照らして検証する必要があるものです。 しかし実際には、個々の内容を検討せず、画一的に敷金の全額返還を求める風潮となり、ガイドラインはその裏付として使われています。 確かに悪質な家主もありますが、ガイドラインと異なる慣習を持つ地域では対応に苦慮しています。 すなわち、事前に契約内容とガイドラインの関わりについて、行政に指導を求めると「契約優先です」との返答。しかし、いざ紛争になるとガイドラインをたてに契約は否定されていきます。どないせーっちゅうんや、って感じですね。 訴訟に発展するとこの傾向はより強まりますが、私が不満なのは、ほとんどが「和解」となっていること。 和解する気持ちはわかります。例え、理屈上有利なポイントがあっても、争いつづけるにはお金がかかります。コストパフォーマンスが合わないのです。これは借主も貸主も同じでしょう。 しかしですよ。私が理解に苦しむのは、裁判所は契約内容を法律に照らして検証する必要があるのに、それをせずに和解を勧める傾向があることです。 検証した上での和解ならば私だって大歓迎です。家主のこちらとしても契約内容のどこがいけなかったのかわかりますから。わからないままの和解では、本質的な解決にならないはずです。 そしてもう一つの不満は、「和解」ゆえに細かい議論内容は第三者にはわからない。そのため、返金があれば「借主実質的勝訴」と報道され、無条件に借主の主張が通ったかのように報道されることです。 ガイドラインどおりの契約――家賃への上乗せをすれば問題ないのですが、これは一家主だけで行うとたちまち経営破綻の恐れがあります。家賃デフレの中で値上げするのですから。(地域の家主で一斉に値上げする、なんてことできるんでしょうか??) うちの地区では敷金を改装費用に当てる慣習がありますから、地域全体がそれを前提にした家賃になっています。もちろん契約書にも書いてありますし、業者さんにも重要事項説明に入れてください、とお願いしてありますが…… この問題についてはまだまだ暗中模索が続きそうです。 2003.3.12記 ------------------------------------------------- 上記で「和解」について不満を書きました。どないしたらええねん、という意味ではもっと判例を収集しやすくなって欲しいし、裁判官の判断を聞きたいという気持ちにかわりありません。 でも、和解・示談も実務上は非常に大事です。お互いの意見をすり合わせていくわけですから。願わくばはじめからけんか腰はやめてほしいですけど。 それに和解・示談は裁判以上にケースバイケース。他の人の事例が自分にあてはまると思わないほうがいいです。どちらの立場にせよ、和解・示談を「自分の勝利」としていいふらす美意識は理解できないです。(宣伝なら理解できます) 上はこの問題にアツくなったまま書いた文章ですから、ちょっと筆が走りすぎてると思うところもありますが、今のところあえてそのまま掲載しておきます。 2004.7.16追記 |
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