子どもの名前をつける、というのは親にとって一大事です。我が子の幸せを祈って、ああでもない、こうでもない、と首をひねる。
高名な鑑定師に見てもらって……、というのもよくある話で、私とダンナの名付け親が同じ鑑定師だった、というのはウソのようなホントの話。
ただ、人によって「あの鑑定師はどうこう……」、というクレームも付きやすいので、ウチの子どもはみんな、有名なお寺につけてもらいました。西国参りの札所。これなら誰も文句は言うまい(笑)。
自分の子どもほどじゃあありませんが、やっと竣工した賃貸物件の名前をつけるのは大家の一大事であり特権です。
かわいい我が子(物件)の幸せ(満室)を祈って、ああでもない、こうでもない、と首をひねります。
どのような名付けが行われているのか、その実情をお話してみましょう。
かつてはかの「トキワ荘」であるとか、「一刻館」であるとか、日本語の名前が主流でありましたが、いまやカタカナ外国語の大氾濫。
管理人も某物件の新築時、「同潤会江戸川アパートメント」のような、人々に愛される物件になれかし、と
「○○町アパートメントにします」
といったら建築士さんに滂沱の涙を流されてしまい、結局ドイツ語もどきの名前をつけました。ちなみにお隣をみればイタリア語もどきの物件名。その向こうにはフランス語。
カタカナ外国語=カタカナ英語一辺倒の時代は過ぎ去ったようでございます。
さて周りを見回してみますと、けっこう多いのが大家の名前がついた物件。
「レジデンスカトウ」とか「リバーハイツ ハヤシ」とか。さらに安直に「第3 山口マンション」なんてのもあります。
「メゾンKYK」というのがありまして、トンカツ屋さんが大家さんかと思いきや、奥様のが「清子」で、そこからイニシャルを取って名付けたとか。
次に多いのが地名ですよね。近隣の駅名を付けることは多いです。最寄り駅がわかるので便利といや便利ですが……。ブランドイメージのある地名が近隣にあったりすると強引にその地名をつけたりすることもあるので要注意です。
管理人の学生時代、「北白川」とつく賃貸に住んでいる友人を訪ねると、バスの終点(北白川別当町)から歩いても歩いてもなかなか着かない。なんのことはない最寄り駅は実は修学院だった、ということがありました……(京都に住んだことのある人は地図を想像あれかし)。
安直系では、ハウスメーカーの商品名に+αしたものも多いですよ〜。+αはこれがまた、大概地名か家主名だったりするんですが(汗)。
「セジュール」とか「シャーメゾン」とか「プライジア」とか付いてると、
「あ〜、あそこのメーカーさんだ!」
……ま、外観でもわかりますけど……。
世相を映す物件名もありまして、20世紀から21世紀あとなる2000年-2001年築にはやたら「センチュリー」とか「21」のつく物件が増殖したものです。
この系統の傑作は、このあいだ散歩していて見つけた「ハイツペレストロイカ」(!
) ゴルバチョフが見たらすごく喜びそうです(笑)。
けれども悲しいかな。大家という人種の発想にはそれなりに限界もあるようで……。
けっこう同名の物件をみることがあります。
管理人は「ヴェルドミール」という名前のマンションを3棟知っています。
「パレス(宮殿)」「レジデンス(大邸宅)」などの、元の言語の意味からすれば大げさな名前がつけられることが多いのですが、それゆえの悲劇もあります。
ある大家さんは自分の物件に「レオパレス」と付けたのです。20年ほど前の話です。当時は同名の商品を展開している某社は、まだ全国展開前だったので……。管理人はその物件を知っているだけで、大家さん本人とは面識がありませんが、きっと今は物件名から持たれる先入観に困惑してると思います。あらゆる意味で全然違いますから。
では最後に、今まで見た中の傑作を。
「マンションアスリート」
……走ってるんかい!!
mixiにも[マンション名がモッスゴアツイヨ] トピックがありますが、似たようなことを思いながら物件名を眺めている人は多いようで……。
↓ こんなページもありました(笑)
http://www.ishidamaggie.com/mansion/