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大家さんおサイフ事情この季節、管理人はユーウツです。花粉もあらかた飛び終わり、さわやかな5月の風とともにやってくる、各種納付書。 先月末の確定申告分の所得税の引き落としに始まり、国民年金の納付、固定資産税、住民税……。 専業大家の管理人は、国民年金基金に小規模企業共済も入っています。これも1年一括払いの引き落としが6月の頭。 一年で一番おカネに苦労するのがこの季節です。 分割納付すれば資金繰りはラクになるのですが、自治体によってはまだ残っている前納報奨金。一括納付するとこの報奨金分支払いを負けてくれるのですが、いまどきその税額分を1年預金した利息とは比べ物にならないぐらいの額をつけてくれますもの。年金や共済の割引率もなかなかのものです。少々しんどくてもこれが払わずにおらりょうか(笑)。 と、いうわけで報奨金のつかない自治体の税金は必然的に後回しにしてます(^^ゞ。 さて賃貸住宅という商売。一番実入りがいいのはいつでしょう? 新築時? えぇ、新築時もそうなのですが、もうひとつあります。通常、賃貸住宅は借金をして建てます。というわけで「返済終了後」もそうなんです。 新築時は当然部屋もバンバン埋まりますし、賃料も強気でいけます。一方で借金は元利金等返済ですから、経費にできる利息部分が大きい。 と、いうことは収入も多いけど、経費も大きく取れるので所得税の負担が軽いのです。この部分を捉えて、よくデベロッパーさんやメーカーさんが「節税のために賃貸住宅経営を……」とやってきはります。 ところがしばらくして、資金繰りには塗炭の苦しみが訪れます。 築古になると当然賃料は落ちてきます。ところが月々の借金返済は、同じ額が決まって出て行くのに、経費にならない元金部分が増えてきます。 収入は減る。お金は出て行くのに経費にならない。所得税・住民税の負担がじわじわと重くのしかかります。 そしてそのころには大修繕が順番に訪れてきます。一般的に壁の塗り替えは10年、などといいます。設備の更新・大修理は修繕費で全額落とせるものもありますが、モノによっては減価償却の対象となり、これも修理代全額おカネが出て行くのに、今年経費になるのはそのほんの一部……。 うっかりすると税引き後のキャッシュフローが真っ赤っかなんて事態にもなりかねません。黒字倒産に注意しなければならない時期です。 減価償却対象の修理代は一度に落とせないのは苦しいですが、次年度からのキャッシュフローの原資にもなります(おカネは出て行かないが経費になるので)。いわば貯金のような側面もありますが、それもこれも今年を乗り切れてこそ。バブル期建築の物件はちょうどこの時期に不景気が重なり、エライ目にあっています。 そしてこの時期の月々の支払いに大きく影響するのが金利。長期固定のできる政府系金融機関のお世話になるのがいいか、民間の数年固定で様子を見るか、フットワークの軽い変動金利にするか。建築時にもこの辺はもちろん頭を悩ませますが、資金の遣り繰り、経費の節減、資産家の場合は相続発生時期、なども考え合わせ、借金の借換に悩みに悩みます。借金をするには担保が必要。物件の土地の評価額の上がり下がりに一喜一憂し、金融機関の査定にも一喜一憂。金利の安い金融機関に借り換えたはいいが、抵当権の付替え等の諸費用に食われた。借換額に諸費用を見込むか否かで金利は下がったが、支払額は逆に増えた。借換による資金繰りは見込んだとおりにできたが、追加担保が必要になった……、など、うっかりすると思わぬおカネが出てゆきます。 不動産賃貸というのは重心の低い商売で、ひっくり返りはしにくいのですが、一旦ひっくり返りかけると挽回するのは容易ではありません。一番経営手腕の問われる時期と言えます。 さて返済終了後は、なんったって今まで資金繰り上大きな負担だった月々の返済がありません。賃料の調節も、大修理用の積み立ても、返済額に縛られず融通が聞きます。しかも借金はありませんから、抵当権もついてない。重荷になれば売却も容易ですし、キャッシュフローと決算の赤黒の乖離も少なくなります。 返済は終わったが、減価償却はまだ続いている。一番うれしいほっとする時期です。 豊富な手元資金が残りますから、思いっきり改装するもよし、ほかの運用をするもまたよし……。 「所得税が増える!」とオノノク人もいますが、この時期の場合は払える状態なのですから、「それだけ儲けがあるのは有難いこと」と管理人は逆に感謝です。確かに減価償却が終わってしまうと経費がとても少なくなるので税額がぽんと上がるのですが……(苦笑)。 |
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