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 最近、あちらこちらで賃貸物件建設の槌音が響いております。賃貸物件は夏に着工することが多いのです。
と、いうのもご入居が一番多いのは2-3月。それに合わせて竣工するようにすると、建設規模にもよりますが、夏ごろの着工になるわけです。
最近は消費税の導入により、こんな損得勘定も少々複雑になってきましたが、それは今回の本題と外れるので置いといて。

 新築物件は数ある賃貸物件の中でも、抜群の人気を誇ります。「誰も使ってない」「まっさらな」清潔感が好まれるのでしょうか。うっかりすると満室なのは新築の間だけ、なんて事体も起こるほど、新築に人は集まります。

 さて、新築物件にはあまり知られていない落とし穴があるのはご存知でしょうか? 
 竣工が2-3月。入居も2-3月。はい、募集はいつやっているでしょう(笑)。
 当然ながら、完成する前。出来上がりを見ないまま、いわば見切り発車で賃貸人は募集し、見切り発車で賃借人は契約を申し込むわけです。
 でも、よく考えてください。実際にどういう物件かは、誰も見てないんです。賃貸人も、賃借人も、業者も。
 資料はあります。設計図面はありますし、きちんとしたメーカーなら、仕様書もあります。でも、全てが設計図面どおりになるとは限りません。工事に入ってから、細かな変更があるのはよくあることです。やっぱり設備を変更しよう、とか。なにかのトラブルで指定品ではなく、代替品になったとか。
 まぁ、その辺りは連絡ミス、といえなくもありません。でも、情報というのは流通してゆくものですから、流通経路のどこにある情報を見たかによっては「こんなはずじゃあ」なんてことに。
 また、あまり早く申し込むと申し込み後に設計変更があった、なんてこともないわけではありません。
 更に泣かされるのは、天候不順などの理由で工期が遅れること(>_<)
 予定では完成してるはずなのに、まだ工事終わってない……。これは悲劇です。そういう場合は居住できるようにするための工事を最優先にして行いますが、入居後も建物のどこかで工事をしてる、なんてのはたまにある話でございます。
 また、建築工事には通称「ダメ工事」といわれるものがあります。竣工し、いざ受け取ってみたら不具合があったのでやり直させることをいいます。
 一応竣工検査はしますが、細かい設備機器の一つ一つまで試運転するわけではありませんので、初めて住んで不具合を発見するのは賃借人です。その場合は賃借人から、「賃貸人(管理)に報告」→「ダメ工事発注」→「修理」というステップを踏むことになります。このステップは通常の修理と変わりません。が、貸す側も借りる側も、「新築」というと「不具合が全くないもの」という思い込みをしやすいだけに、けっこうげんなりします。

 もう一つ。これはコンクリート製の物件――特に現場でコンクリートをうつ場合によくあることです。
 コンクリートは主に水とセメントと砂利を混合したものです。すなわち、できたてのコンクリートは水を多量に含んでいます。
 家の中の湿気の発生源といえば、キッチン・風呂・洗面などの水周りと一部の暖房器具ですが、新築の場合、これにコンクリートが加わります。構造上の対策をしてあるものもあるでしょうが、場合によっては結露に泣かされることになります。

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