だいぶ前(2006年秋)に、スマッチ!編集部から「こういうコメントが来てます」といただいたお題。
お題をいただいたとき、タイムリーにも参加している勉強会のMLでも「外国人の住居問題に関するシンポジウム」の話が流れいて、いろいろ考えさせられた。
この記事は片田舎の家主が抱えている問題としての「外国人の入居」に関する私の雑感。
私は在日の人や、華僑の人、ムスリムの人まで回りにいる中で大きくなったので、個人を国籍だけでどうこう言うつもりはない。
でも、うちの物件は「外国人お断り」である。
より正確に言うと、「日本語での会話がスムーズにできない人、及び日本の生活習慣に合わせられない人はお断り」。だから、在日韓国人とか(韓国人に限らず、日本語を話し、日本に生活基盤のある永住者)は日本人扱い。
外国人の入居には三つの壁があります。
「言語」「生活習慣」「連帯保証人」
正直に言って、これは管理上の都合です。
まず、「言語」に「生活習慣」。
私、日本語しかできません(汗)。
住民同士の生活習慣の違いは、言葉に不自由のない日本人同士でもトラブルのもと。
これがさらに言葉が通じないと、一層大変。
だから法人契約で、しっかり従業員の面倒をみてくれる法人さんなら、OKを出すこともある。
どんな法人かというと、いわゆる一流企業。あとは普段から付き合いがあって、社内がどんな感じかわかってるとか。
特に片田舎では「ヨソモノ」への地元の警戒心は強いです。正直入居者が日本人でも、町会等をめぐって地元と対立することもあるぐらいですから、これはなかなか難しい。
賃貸住居というのは地元密着(なんたって「不動」産やし)なので、地元の評判というのは結構大事だったりします。
日本人でもムチャクチャな人はムチャクチャなんだけれど、外国人が同じことをすると、その人の資質ではなく「外国人だから」と見られる風潮が残ってるのは残念ながら事実です。
そのあたりをフォローしてくれる、という意味で一番頼りになるのが、日本人社会との一番の接点になる職場なわけで。
また逆に、外国人に限らず、属性が1棟ほぼ同じになれば、それはそれで上記の問題――生活習慣の違うことによるトラブルは減ります。
学生専用もその一種です。学生は夜型生活になったり、たまり場を作ったりすることが多いので、定時出勤のサラリーマンと混在するとよくトラブルになります。
余談ですが、大手法人や人材派遣会社が従業員寮としては1棟借り上げを望むのも、同様の理由もあると思います。3交代なんかだと、通常の生活サイクルとは異なりますし、かためて住まわせた方が、管理はラクですから。
外国人も同様で、外国人中心のアパマンにできれば、このあたりの心配はかなり減ります。ウチのように片田舎で、特定の属性の人で1棟埋まらない……!
あと「連帯保証人」。
こちらの求める保証人の要件は、国内定住者で、もちろん日本語理解必須。で、責務に耐える収入があり、賃借人本人と親しい人。できれば身内が望ましい(「連帯保証人の話」参照)。これは日本人の賃借人に対して求めている、いわば当たり前の条件ですが、これをクリアできる外国人が多くないのも、すぐにわかっていただけると思います。
(余談ながら、上記の理由から「与信的に弱い→ハイリスクハイリターン→高めの家賃」という思考もありかな、と思うけれども、もっと単純に供給が少ないから、という理由で賃料が高めに……なることもあるのかな? ウチの地域ではむしろ安いところに集中するので、余計に地元民が警戒する)
法人契約の場合は、その法人の責任者になってもらうことが多いです。これなら私も安心です。
保証システムを作って、という話も昨今ありますし、現にあるようですが、保証会社は広い意味で金融屋さん。取立手続きも厳しいと聞きます。
保証人の要件を緩める代わりに、定期借家にしておく、という選択肢もアリかと思います。
と、いうようなわけで、外国人の入居はなかなか厳しいモノがあるのですが、法人契約ならば比較的見つけやすいといえましょう。
はっ。それで事件帖「法人契約のトラブル」みたいなことがあるのか……。
でもそれでも、契約を法人にする価値は私にとってはある気がする……。